羊毛とフェルト:羊毛加工作業
羊毛を入れたら製品が出てくるブラックボックスはこの世には存在しないみたいです。羊一頭分の羊毛を手に入れると、そのあとこれだけの作業があります。
大変そうに見えますが、ゆっくりやれば、大丈夫。
人によって、いろんな手順があります。何度もなんどもいろんなやり方を試して、自分にあった作業手順、自分の好きな作品にあった作業手順があります。
正解は、ない。
作業手順
スカーディング(ごみ取り)
羊毛を広げて、まずは大きなゴミ、排泄物など、使えない部分を取り除きます。
ソーティング(選り分け)
種類にもよりますが、体の部分により、生えている毛の種類が違うことがあります。そこで、使い方にもよって羊毛を部分に分けることもあります。固い/柔らかい/短い/長いなどです。
洗う
洗剤でゆっくり、フェルトに固まらないように洗います。
染める
下の手順のカード機にかけてから染めたり、糸や織物にしてから染めたりもします。
カードをかける
いろんなカード機があります。写真はドラムカードという大きな機械です。ハンドカードでゆっくりほぐすこともできます。
これでやっと、セーターにしたり、製品にしたりできます。これは染めた後の毛で、ほぼ羊一頭分。カードにかける前の毛です。
スカーディングの写真と比べてみてください。
セーターやマフラーに編んだり、ウールの織物を編んだりする時間についてはまた別の話で、ものすごく時間がかかります。2003年は草木を探したり、道具をそろえたりしながら、ほぼ2ヶ月かけてここまでの作業をしています。
ある程度は予測していましたが、こんなに手間だとは思いませんでした。羊毛を洗ったり、染色したり、カードをかけたりするのはかなりの重労働。カード機を 除いて、全部手作業です。端から見たら、本当に効率悪いし、これでいいものができるかどうかもまた別の話です。
多分、楽しいから、ということで。