フェルトについて
織ってはいませんが、織物です。
フェルトと聞くと、手芸品店で1枚数十円で売られている、カラフルな四角くくて厚めの布を想像される方が多いと思います。
フェルトペンの先、ホワイトボード用のイレーサー、お習字の時に半紙の下にひく下敷き、靴や絨毯の中敷きなど、いろんなところに使われています。
心ならずもフェルトを作ってしまったことがある人は多いはずです。
セーターをうっかり洗濯機に放り込んで縮ませてしまったことはないでしょうか。
今では縮んでしまったセーターを一度ほどいて編み直す人はあまりいないでしょうが、もしほどくとしたら、縮み過ぎてしまったものをほどくのは一苦労なことがわかります。繊維同士が頑固にくっついて、まったくほどけない。無理に引っ張るとぷちっときれてしまったり。
そんな状態を、フェルト化といいます。
つまり、フェルトは、羊毛の繊維に水分と熱、圧縮をかけ、繊維同士をからませてつくります。
現在目にできる製品の大半が機械でプレス加工されているものですが、フェルトは羊毛でできている、ウール製品です。縦糸に横糸をくぐらせる、いわゆる織物には見えないのですが、繊維をからませると言う意味では立派な織物です。
**布にもなりますが、もっと他の形にもなります。**
羊毛の繊維は、生きています。暖かいお風呂に入れてやると気持ちよくなって伸び、冷めると縮む。フェルトはそんな羊毛の性質を利用しています。 縦糸と横糸を必要としないため、布だけではなく、様々な立体形を作ることが容易にできます。
布地は平面に織られているため、バッグなどを作る時に裁断し、縫製する必要がありますが、フェルトの場合、簡単な形ならすぐにできます。
また、あらかじめ染めた羊毛を使うことで、模様をつけることができます。 もちろん、その後裁断したり、刺繍などの加工することもできます。